餃子で食卓を囲む
「餃子は食卓を囲んでご飯が進むのに最適のおかずだと思うんです」
家族団らんの食事と言えば鍋料理を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、毛穴さんにとってのそれは餃子でした。
「子供の頃、家族で餃子を包むのが楽しくてたまらなかったんです。今でも餃子を焼いてると、香りにつられた家族が自然と食卓に集まってきます」
『龍華山』の餃子がお持ち帰り専門で、お店で焼いて出さないのも、家族で食卓を囲んで欲しいという思いからです。
「だから、家庭で簡単に焼けるように皮にもこだわりました」
家庭で誰もが焼ける餃子を作ったのには、もうひとつ理由がありました。それは、お持ち帰り専門店なら初期投資も少なくて簡単だから。
「セミリタイヤした高齢のご夫婦とかが、フランチャイズしやすいんじゃないかということも考えたんです。年金に少し収入が加われば暮らしも楽になるかな、と」
食文化を考えることは、食卓だけでなく、その周辺の生活や経済活動にも思いをはせることになるのです。
一方で、ただ経済……売上のことを考えれば、冷凍餃子を通販で売ればいいに決まっていますが、それは断念したのだそうです。
「最近は冷凍技術も進化して味も落ちなくなってきていると、色々見せてもらって、製品化の一歩手前まで行ったんですが、結局取りやめました」
味への強いこだわりがあって、劣化が許せなかったのです。
「冷凍した餃子を解凍したら、どうしても味が落ちる。ブランドを守るためには、これは売られへんなと思ったんです」
そんな経緯で断念したものの、現在堺の和菓子屋『河月堂』と大学のコラボで製品化が進んでいる和菓子が固くならない「不凍タンパク」の技術に注目しているそうです。不凍タンパク技術は、はたして毛穴さんの舌の関門をクリアできるのかにも注目ですね。
2014年の3月17日には、堺区の中之町東に『龍華山宿院店』がオープンしました。ちんちん電車の走る大道筋沿いのお店です。堺が工業化する以前は、良水が湧き出ることが知られた地域で、宿院頓宮には海幸山幸神話に登場する潮干珠を埋めたとされる飯匙堀があるなど、『龍華山』のコンセプトとは響き合う町だと言えましょう。
地域の家庭の食卓に、おいしさを運んでほしいですね。
— Surrounding the dining table with the family and with ’gyoza’ dumplings
“As a companion to ‘shiro gohan’, I’ve always thought ‘gyoza’ was the best thinkable partner”, says Mr. Kena. The reason why Ryukazan is only a takeaway shop is because he wanted the ‘gyoza’ dumplings to be shared and enjoyed by families, together, at home. “But for that, I had to make sure that they would be easy to cook in a ordinary home kitchen’.
Another reason why Mr. Kena made Ryukazan a takeaway only shop was that he wanted to make it easy to franchise the brand to other people, especially retired couples. “The initial costs of setting up a takeaway only shop are relatively small, and that could add an extra income to people living on a retirement pension”.
Of course, if one’s sole purpose is economic efficiency, selling frozen ‘gyoza’ would had been a much more profitable option. “I know that frozen food technology has advanced large steps in recent years. However, after several trials, I decided that it was not the right thing to do, at least for now. I felt that there is a small but noticeable decline in taste after the freezing process. So for the time being, the ‘gyozas’ will be available only at the shops. After all, it is all about the taste.”
住所 | <家原寺店> 〒593-8304 大阪府堺市西区家原寺1-18-6 TEL&FAX:072-271-2898 E-mail:info@ryukazan.com<宿院店> 〒590-0956 堺市堺区中之町東1-1-32 TEL:072-226-5001 |
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定休日 | 不定休 |
営業時間 | AM10:00~PM7:00(売り切れ終了) |
URL | http://ryukazan.com |