Culture | 挑戦し続ける漬物屋、伊勢屋食品の水なす漬

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堺の『&Rice』(飯の友)を語る上で外せないのが、老舗の漬物屋として名高い『伊勢屋食品株式会社』さん。&Riceの取材で出会った伊勢屋ファンは、竹山市長を筆頭に数多く、いつか取材せねばと強く思っていました。
念願叶った&Rice取材班に、二代目社長松田忠雄さんの弟でもある専務の松田武雄さんと常務の松田行雄さんのお2人は、長い歴史の中で培われた美味しさの秘密を語ってくれました。

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焼け跡マーケットから65年

伊勢屋さんの出発点は、終戦直後に今の堺市駅周辺にあった金岡マーケットにはじまります。武雄さん兄弟の父である先代は、元々は針金工場を営んでいましたが、戦時中の鉄資源の徴収によって操業できなくなり、「何かせねば」と漬物屋をはじめました。
「当時、漬物屋には伊勢か徳島の人が多くて、それで『伊勢屋』という屋号にしたのかもしれません」

先代の跡を継いだ現社長は、「昔気質だけど創意工夫の人」で、他と一線を画する伊勢屋の漬物を生み出します。
「泉州の水ナスは、昔は糠漬けぐらいしかなかったと思います。そんな中で、色んな漬物を作り始めたんです」
30年ほど前、人気商品のりんご酢漬けや、今や他でも見られるようになったワイン漬けなども最初にやりはじめたのは伊勢屋でした。そして革新的だったのは切漬けを始めたことでした。

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「切った漬物を販売するなんて当時はなかったんです」
伊勢屋が切漬けをはじめたのは、水ナスという野菜の独特の性質がきっかけでした。水ナスは非常に皮が弱い野菜です。風に揺れた葉っぱが皮をこすっただけで傷がつくこともあり、傷がついた瞬間に商品としてはCランクに落ちてしまうのです。
「Aランクのものを仕入れても傷がついてしまいCランクになったりと、商品としては使いにくいものがたまりがちなんです。しかし、AランクもCランクも味は変わりません。だったら切漬けにすればいいじゃないかとなったんです」
伊勢屋の切漬けは、核家族化し共働きが増える社会情勢とマッチしヒットします。今ではスーパーでは主流の切って小分けした漬物も伊勢屋が先駆けだったのです。

「20年ほど前に大阪府の認証第一号をもらったのは、私たち伊勢屋なんです。おそらく多くの商品を展開していたのが評価していただけたのでしょう。また、最近では大阪のお土産物として認知されてきたと感じることも多く、手ごたえを感じています」
もちろん漬物そのものの美味しさこそが伊勢屋の魅力です。伊勢屋の漬物の製法も、他とは一味違ったものでした。

Next:美味しい野菜を求め全国行脚

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