Interview | バー文化の開拓者、「(株)喜色満面堂」西尾圭司対談

これから

樋口「自分は、もはやプレイヤーではないと言いますが、西尾圭司は、これからは何を目指すんですか?」

西尾「人がやることには正解はありませんから。飲み物が好きで、飲み物にはかかわっていきたいというのはありますね。実は今、とある会社から、東京でビールのアンテナショップを作るのにアイデアを貸して欲しいという打診があり、50歳からコンサルをする可能性にワクワクしているんです。同時にすっごいプレッシャーも感じているんですが」

樋口「新しい挑戦がはじまるんですね」

西尾「実際に経営しないといっても、プレイヤー以上に情報収集をしないといけないんですよ」

樋口「わかります。たとえばロックギターの先生が、生徒からジャズの弾き方を教えて欲しいといわれた時に知りませんではすまないですからね。プレイヤー以上に努力しないと。老け込む暇がありませんね(笑)」

西尾「価格破壊じゃないんですが、(2014年)4月からビールの値段を下げたんです」

樋口「それはなぜ?」

西尾「クラフトビールを毎日飲むものにしたいんです。世の中にはビールアレルギーの人もいますが、何かのきっかけで知らなかったことを知って重い扉をあけて入ってきてくれることがある。大きな期待をしているわけじゃないけれど、いい意味で期待を裏切るようなことがしたいんです」

樋口「この店があってよかった、来てよかったというような」

西尾「一日働いてまっすぐ家に帰れない時がありますよね。気が抜ける所が家にもないとか。そんな時に、ちょっとこましになるような、ジョイント役になれたらと思います」

樋口「お酒やフードを提供するだけでなく、自らが思う“場”を思想し実現する。それが西尾圭司がやり続けていることですね。今日は長時間ありがとうございました。」

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Editorial Note – 編集後記

知り合ってから何年になるのでしょうか?最初に会ったのはいつでしょうか?
西尾圭司の名刺はうちにはありませんでした。
わざわざ名刺を交わすというような機会、今までなかったんかな?

こんな風に、あらたまって向かい合って話をする日が来るとは!お互いええ歳になった証拠かもしれません。

今回、印象に残ったのは「大阪では…なかなか理解されません」という西尾さんの言。
自分も日頃、そういうことを感じることがあります。
しかしこんなにキャリアのある西尾さんですら、いまだにそう感じているのか!?
俺もまだまだ!ってことやねんな(ノ_-。)
2014/6/23公開 文・渕上哲也 写真・加藤恵大
 

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