Interview | バー文化の開拓者、「(株)喜色満面堂」西尾圭司対談

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日常/非日常

西尾「飲食には2つのキーワードがあって、それは『日常』と『非日常』です。日常食は死にそうになってもはぶかれないものですが、非日常食はそうではない。僕らが非日常を言い続けるには、ロマンチックな布で包む必要があるんです」

樋口「日常と非日常ということで言えば、最近はバルなどのイベントも盛んですけれど、大切なのはバルをやった後です。それがわかってないんじゃないかと首を傾げることも多いです。普段どんなことやっているのか、バルの1日以外の364日が大切で、どうやったら日常が盛り上がるのかというビジョンがあるのか?端から見ていて疑問に思う時があります。ただの文化祭的なもので終わっているイベントが多いようにも感じます」

西尾「本質的なキュレーター、プロデューサーがいないんです」

樋口「西尾さんも、様々な仕掛けをしていますよね」

西尾「僕はプロモーションという言葉は嫌いなんですが、代々木の店の店長と大阪のうちの店の店長を丸1日交換するというのをやったことがあるんです」

樋口「それは実験的な面もあって面白いですね」

西尾「最初はワンウェイだったんですが、ユーストリームで両方の店が見られるようにしました。最初はそれほどでもなかったんですが、しだいに口コミで沢山こられました」

樋口「人間関係が人を呼ぶという、コンテンツビジネスの部分が露わになりましたね」

西尾「1週目が40人だったのが、2週目に120人になった。ただ、それをうちの子が自分だけの手柄だと思っていたなら、それはちょっと違うだろなんて思いましたね」

樋口「やはり、それは教育者の視点ですね(笑)」

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一億総評論家時代に

樋口「西尾さんは、そういう啓蒙を飲食関係者だけでなく、消費者に向けてもやってませんか? 今や皆がブロガー、レビュワーの一億総評論家時代です」

西尾「ここ10年ぐらいですね。消費者の噂話からの情報発信が大きくなってきたのは。店で出すものがまずいわけがないという中でのアプローチで、ファーストタッチでのひずみは非常に大きくなりますね」

樋口「それを恐れて飲食業界自体が縮こまり、コスパ優先もあってつまらなくなってきている。そんな中で、西尾さんがお客様に対して鋭いメッセージを発し続けているというのは、カウンセリングであり、エデュケーションであり、すごい施しではないかと思います」

西尾「お店はお客様のものではない。お客様にお店だからといって無茶を言うちゃいかんとか、どこの店でも上手に遊べる人になって欲しいというのはありますね」

樋口「いい意味で顧客至上主義ではないですよね」

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