Culture | 深夜の工場見学、堺あなご専門店『松井泉』

受け継がれたタレと惜しまぬ手間

松井さんの案内で2階にあがると、2台のベルトコンベアを使ってアナゴを焼く作業が行われています。
「一台目は皮を中心に白焼きをします。アナゴはウロコのかわりに皮をぬめりが覆っています。焼くことによってこのぬめりを浮かせていくんです」
白く焼きあがったアナゴを、次はざんぶりと水洗いして浮いたぬめりをとっていきます。水はすぐにぬめりの汚れで白濁します。
「このままタレを付けて焼いてもタレが水で薄まって美味しくありませんから、次は洗ったアナゴの水切りをします」
時間をかけてじっくり行う水切りは大変で、松井さんによると他の企業の中にはそもそも水洗いや水切りをしない所もあるとか。
「手間なことをやるだけなんですが、その手間な事をやるかやらないかだけで味が変わるんです」

こうして手間をかけ水切りをしたアナゴをタレに5分~10分つけます。タレは醤油、酒、味醂だけを使ったシンプルなものですが、伝統の一味が加わります。
「タレにはアナゴの頭や骨からとったダシを入れ、継ぎ足し継ぎ足し使っています。どうぞ、少し味わってください」
松井さんが差し出したコップから少し舐めると、受け継がれてきたタレは意外にもあっさりとしています。
「アナゴをお蕎麦やおすましにいれる時、濃い味付けだと邪魔になるのであっさりにしているんです」

The dried conger eels are put into the sauce for 5 min to 10 min. The sauce is made from soy sauce, Sake, Mirin and the special seasoning.
“Please sample the taste once. We add soup stock extracted from bones and head of conger eels into the sauce.”
The sauce was a simpler taste than we expected.
“As strong taste doesn’t go together with Japanese Soba or delicate-flavored soup, we make it lesser salt.”

IMG_0334そのタレにひたしたアナゴを二台目のベルトコンベアに入れていきます。
「こちらでは身を中心に焼いています。アナゴの脂ののりや大きさによって、職人がベルトコンベアの速度や火加減を調整します」
“焼き”にも職人の目と技が生かされているのですね。

Then, seasoned conger eels are put into another conveyor, in which mostly their meats are grilled.
Workers adjust the speed of the belt and size of the flame in the conveyer, checking whether the eels are large or small, and how fatty they are.
We found that worker’s skills are made good use of even in this step, grilling.

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Next:深夜に作業するわけ – The reason for midnight work

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