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2014年06月03日

海外メシトモ事情 – タイ料理 後編

Author: , Category: 海外メシトモ事情 | TAG: ,
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タイのタオ島滞在最終日の夜。師匠(ダイビングサービスCoral Grandの女性インストラクター。前編参照)の案内で、タイ東北地方の料理『イーサン料理』のお店を訪ねた。

misegamae

タイの国土は南北に長く、面積は日本の約1.4倍。普段何気なく「タイ料理」と呼んでいるけど、当然ながら地方によって特徴があるようだ。前編でご紹介した、世界で最も美味な料理第1位に選ばれた「マッサマン・カレー」は、アユタヤ王朝時代に訪れたペルシャの使者がタイ中部にもたらしたもの、もしくは南部を訪れたアラブの貿易商が持ち込んだ料理とされており、元来のタイ料理とは違う味付けだそうだ。実はタイではさほどポピュラーではないらしい。

他国からの影響や地域の気候・風土差などを受け様々な食文化が生まれるわけだが、イーサン料理はラオスと隣接するタイ東北地方で古くから食されていた料理で、伝統的なタイ料理とはまったく違うものらしい。辛い料理が多いイメージのタイ料理だが、実はもともとのタイ王国料理自体はそんなに辛いわけではないらしく、そういった辛い料理の多くはイーサン料理だということだ。首都に出稼ぎに来た東北地方の労働者が広め、現在では一般的になっている。
なので、今ではわざわざイーサン料理のお店を探さなくても、普通のタイ料理店でもメニューに載っている。たとえば、青パパイヤの辛くて酸っぱいサラダ『ソムタム』は、イーサン料理の代表選手的メニューだけど、今ではタイで最もポピュラーなメニューの一つだ。

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ソムタム

ちょいちょいちょい!! ほな一体何が特徴やねん?
一度しか食べていない私が細かいことまでは分からない。それでもハッキリ、自信を持って断言できる特徴。それは、主食の米が『もち米』だということ。『カーオ・ニャオ』と呼ばれる、蒸したもち米をおかずと一緒に食べるのである。

omlett1
珍しく辛くない料理、オムレツ

最初に注文したおかずがずらっと並び、それをいつもどおりフォークで食べていたところへ、主食のもち米がやってきた。で、フォークで食べようと思ったんだけど。。。お分かりでしょう。そう、めちゃくちゃ取りづらい。これはもしや?と思い師匠に「手で食べてもよいか?」と質問したところ、師曰く「そう、これは手でもち米を一口分取り、クチャっとこねて、料理のタレにつけて食べるのが正解なのだよ」とのこと。

・・・やはりか。

なんだろう、感覚的に「手で食らうべし」と私の本能が感じ取っていた。
そうと決まればいざっ!!
Let’s こねこね!!!
手でもち米を丸め料理のタレをつけていると、なんとなくタイ東北地方の暮らしが指先から伝わってくるようだ。国境付近の山間部。海は無く、土地は貧しく、食料は乏しい。そのため、より腹を膨らませるもち米が主食となったのだろうか。もち米を蒸す際は、バナナの葉などで包み、火にくべるのだろうか?葉の香りがついたもち米は、「おこわ」のように良い香りがするのだろうな・・・
・・・と、私の妄想はさておき、カーオ・ニャオは一般的なタイ米と同じく長粒米のもち米なのだが、日本のもち米同様、しっとりモッチモチ。噛みごたえ十分で、噛むほどに甘みが出てくるので、おかずの辛いタレとベストマッチ。

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骨付き豚肉のグリル。カーオ・ニャオと相性抜群!!

そして、私は声を大にして言いたい。躊躇してしまう人が多いとは思うが、本来「手」で食べる料理は、ぜひとも手で食べて欲しいのだ。イーサン料理に限らず、インドのカレーやアフリカの多くの料理など、もともと手で食べるものは数多くある。私は自宅でインド風カレーを作った際、①金属のスプーン ②木製のスプーン ③手 とそれぞれ道具を試したが、圧倒的に手で食べるのが美味しかった。視覚・嗅覚・味覚の他に、手の感覚がプラスされるからなのか、単細胞な私がイメージ戦略に嵌まりやすいからなのかは分からない。だけど、うどんやそばを「ずずず~~~っ」と音を立ててすすって食べた方が、物静かに食べるより美味しいのとどこか似ているんじゃないかな?その発見以来、手で食べる料理を手で食べることに、何のためらいもなくなった。

そんなことを思いながらワイワイ食事を楽しんでいたら、店の壁に珍客が現れた。滞在中、深夜1時になると
「コロコロコロコロコロコロ  トッケーーーッ トッケーーーッ トッケーーーッ」と、朝の5時まで大声で鳴きつづけ、私の安眠を妨害してくれた小憎いアンチキショー。翌朝いくら姿を探しても見つけられなかった夜行性のあいつ。その名も「トッケー(英名Gekko)」だ!!

DSCF2608
トッケー雄。全長約30センチ。実はヤモリの一種なのだ。けっこう獰猛。

やっと姿を見せやがったな?! 激写してやる!!
一説によると、トッケーの鳴き声を7回連続で聞くと幸せになれるそうだ。私は現地で記憶にある限りでは、6回が最高記録だった。平均3~4回ってところかな。そんな、幸せを呼ぶトッケーのラブラブ・シーンを激写することに成功し、タオ島最後の夜は賑やかに、満腹に更けていったのだった。

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激写!!! トッケー合体中♪

おまけ

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空港にて。食べてないけど、もち米とマンゴーのデザート。「おはぎ」みたいな感じか?

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Mari Okamoto

Mari Okamoto

元バーテンダーにして、酒屋での勤務経験もあり。美味しいものとスキューバダイビングの為ならと、国内外問わずフットワーク軽くとびまわる。

“海外メシトモ事情 – タイ料理 後編” への1件のコメント

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