株式会社 山徳の海苔 対 ケナ
生まれ変わるなら女性がいい。
柔く美しい曲線を描く肌、
生命を育む子宮の神秘性、
無償の母性愛、
女性の兼ね備えた崇高な能力に惹かれるのだ。
ある研究者によると、
男性の染色体は年々減少し、
いずれは消滅するとのこと。
人の進化の過程で男性は必要ないと認識され、
プログラムが書き換えられたのかもしれない。
そもそも現代社会における女性の地位は向上し、
自立した女性を前に男性は貧弱化する一方。
男女平等論は社会の生産性における男女の能力まで均等化し、
女性はますます盛んに男性化し、
男性はどんどん内向きに女性化していく。
つまり男女はより中性化されていくなかで、
生き残りをかけた淘汰の渦中にあるのである。
確かにこのままだと不完全体と判断されそうな男性が、
地上から消滅する流れに逆らう力は見当たらない。
男性の染色体の消滅話もまんざら嘘でもなさそうである。
私はそもそも母系社会の復興を願うもの。
おばあちゃん子で母親方は女三姉妹、
2歳年上の姉がいる女性の愛に囲まれて育ってきた。
ちなみに妻も女三姉妹で子供は娘二人。
現在は祖母、父、母、姉、妻に二人の娘と、
一つ屋根の下で女性五人とのライフスタイルを満喫していた。
過去形になっているのは、
つい先日引越しをしたからである。
妻と娘二人との新しい生活は楽しみの反面、
大家族に慣れた私は寂しさも少々。
なによりもそれは食卓にあらわれるもの。
やはり食事は家族の人数が多いほど賑やかなものである。
たくさんの器に多くの料理が色とりどりに飾られた食卓の華は、
生きる活力に+αの心的栄養を補ってくれる。
引越し翌日実家でのラストディナーは手巻き寿司をチョイスした。
残念なことに両親は海外旅行で留守だが、
家族団らんの手巻き寿司パーティーは新生活を迎える前のフィナーレに相応しい。
だからこそ酢飯や具材だけでなく、
海苔など細部に至るまでこだわるべきだと考えた私は、
&Riceのブース出店をしたときに出会った「株式会社山徳」の海苔を急いで用意した。
海苔好きな娘達がその味にどんな反応を示すかも楽しみで・・
それなのに、
それなのにである、
急いで仕事を終わらせ実家に戻ると、
宴はまさかの終焉間近。
娘は食事を終えテレビ三昧、
妻は新居のことで妄想三昧、
姉は前日酒も残り泥酔三昧、
吸い物を注いでくれる祖母の優しさが心の拠り所だった。
女性ってやつは時に女々しさの欠片もなかったりする。
常に前向きな現状思考というのか・・・
だが文句をいってみてもはじまらない、
仕方なく独りで巻き巻きを開始した。
すでに開封されていた山徳の海苔を手に酢飯をのせ具材を化粧する。
あまりに不器用な私の手つきを軽くスルーする妻を横目に姉が手伝い完成。
ここで問題が発生した。
あまりにパリパリな焼海苔、
なんということか、
型が崩れ巻けないのである。
しかも私に残されていたのは海苔の残片達。
やり直しがきかない!
でも今夜はめげるわけにはいかない。
手巻き寿司なのに巻けない哀しみを胸に、
平らな仕上がりのそれを口に運んだ。
すると口の中でナイスなパリパリが磯の香りと弾けあい、
私が感じていたストレスまで見事に吹き飛ばすではないか!
おい、美味しいぞ、海苔が効いてるぞ、この手巻けない寿司!
塩味のほうは涙の味がするぞ。
こうして実家での孤独感ラストディナーを楽しんだ。
食事を終え新居にもどる車中、
娘の手に山徳の海苔がしっかりと握られていた。
山徳の海苔
株式会社 山徳
URL: http://www.yamatoku.co.jp/
オンラインショップ: http://tokusaburou.jp/
本社/工場 〒587-0068 大阪府堺市美原区大饗100-1
takayoshi kena
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